【猫の元気がないとき】よくある原因から重大な病気まで|受診の目安を獣医師がわかりやすく解説

「なんとなく動きが少ない」「お気に入りの場所から出てこない」
猫は体調の変化を隠す動物なので、いつもより静かだととても心配になりますよね。
元気がない原因は、軽い体調不良から命に関わる病気までさまざまです。
今回は、よくある軽度の原因から、早めの受診が必要な病気まで、猫専門の視点でわかりやすくまとめました。
1. 猫に元気がないとき、最初にチェックしたいポイント
猫は不調を隠すため、気づいたときには体調が悪化していることもあります。
次のような点を確認してみてください。
- 食事は食べている?
- 水を飲んでいる?(飲水量が増えてない?)
- 嘔吐や下痢はある?
- トイレはいつも通り?(尿の量や回数に変化は?)
- 隠れていない?部屋の隅でじっとしていない?
- 呼吸は静かでゆっくり?(速い・荒いは危険)
- 歯ぐきの色はピンク?(白い時は危険)
小さな変化の積み重ねが病気のヒントになることがあります。
2. 元気がないときによくある軽度の原因
● 軽い胃腸炎
ちょっと食べ過ぎた、毛玉でむかむかしている、ストレスなどで軽い胃腸不良を起こすことがあります。
食欲の低下や軽い嘔吐が見られることも。
● 疲れ・ストレス
猫は環境変化に敏感。
引っ越し、来客、家具の配置換え、騒音、気温差などで元気が落ちることがあります。
3. 注意~命に関わる事がある病気(動物病院での検査をおすすめ)
猫の不調の裏には、重い病気が隠れていることが少なくありません。
● 腎臓病(慢性腎臓病)
猫に特に多い病気。
- 水をよく飲む
- 食欲が落ちる
- 体重が減る
- 吐きやすくなる
といったサインが見られます。
● 肝臓病(肝リピドーシス:脂肪肝など)
食欲が落ちる→さらに肝臓が悪くなる…という悪循環が起きやすい病気。
少しの食欲低下でも注意が必要です。
● 心臓病(心筋症など)
初期の段階では症状が出にくいです。
元気がない・呼吸が速い・隠れるなどの変化だけで進行していることがあります。
● 貧血(歯ぐきが白い)
ぐったり、動きたがらない、呼吸が速いなどの症状が見られます。
● 中毒(誤食・植物など)
- 人の薬(人とは体重差があるのでオーバードーズの可能性)
- 観葉植物(ユリは特に危険)
- タマネギ・ネギ類
- 防虫剤・洗剤
- チョコレート
など、少量でも命に関わることがあります。
● 感染症(ウイルス・細菌)
猫風邪(ヘルペスウイルス・カリシウイルス)、腸炎、FIP(猫伝染性腹膜炎)、パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)などが代表的。
発熱・食欲不振・嘔吐・下痢を引き起こします。
● 尿路閉塞(オス猫に多い)
最も緊急性が高い病気のひとつ。
- 何度もトイレに行くが出ない
- 苦しそう
- 触ると痛がる など
はすぐに病院に相談・受診を!
● 甲状腺機能亢進症(シニア猫に多い)
- 良く食べているのに痩せてくる
- 夜中など落ち着きがない
- よく吐く など
進行するとぐったりすることがあります。
● 膵炎
嘔吐、食欲低下、ぐったりなど、他の病気と症状が似ており、症状だけでは気づきにくい病気です。
4. 嘔吐・下痢を伴うときに考えられる病気
猫は嘔吐が多い動物ですが、「いつもより頻度が多い」「元気がない」は病気のサインです。
● よくある軽度な原因
- 胃腸炎
- 毛玉
- 食べ過ぎ・早食い
- 軽いストレス
● 注意すべき病気
- 腎臓病・肝臓病の悪化
- 膵炎
- 感染症(猫風邪、パルボなど)
- 寄生虫症(回虫・コクシジウム など)
- 中毒(植物・薬品など)
- 尿路閉塞に伴う嘔吐(非常に危険) など
「嘔吐+元気がない」は受診のサインです。
5. 受診の目安:半日以上元気が戻らないとき
📌 「なんとなく元気がない」が半日以上続く場合は要注意。
さらに以下の症状があれば、早めの受診をおすすめします。
- 食べない(猫は1日絶食で肝臓に負担がかかるため特に要注意)
- 水も飲まない
- 繰り返す嘔吐・下痢
- 呼吸が速い・浅い
- 隠れたまま出てこない
- 排尿が少ない・出ていない
- 歯ぐきが白い
- 明らかにぐったりしている
猫は「ギリギリまでがんばる動物」です。
小さな変化に気づくことが命を守ることにつながります。
6.まとめ:いつもと違うサインを見逃さず、早めの相談・受診を
猫ちゃんに元気がないときは、体調不良を伝えている大切なサインです。
軽い不調のこともありますが、腎臓病や肝臓病、心臓病、尿路閉塞など、重い病気が隠れている場合もあります。
大切な家族である猫ちゃんの様子がいつもと違うと、
「受診したほうがいいのかな」「この子は大丈夫かな」と不安になるのは当然のことです。
当院では、身体検査に加え、血液検査やレントゲン、エコー検査などを組み合わせながら、
不調の原因をできるだけ早く見つけ、治療や猫ちゃんのつらさを和らげられるようサポートしています。
猫ちゃんは体調不良を隠しやすい動物です。
少しでも「いつもと違う」と感じたら、一人で悩まずにご相談ください。
飼い主さんと一緒に状態を丁寧に確認し、安心につながる診察を心がけています。 猫ちゃんと飼い主さんが、穏やかな毎日を過ごせるよう、いつでもお力になります。
愛知県東郷町の小塚獣医科病院 TEL 0561-38-0811
診察時間 AM9:00~12:00 PM5:00~8:00
休診日 土曜PM、日・祝日

