避妊去勢手術の重要性

 避妊・去勢手術は、全身麻酔など多少の負担がかかりますが、言葉を喋れない動物たちにとって病気の予防など大きなメリットがあります。

避妊・去勢手術はどのような手術か?

 避妊手術は女の子の卵巣・子宮を摘出する手術です。
手術の目安は初回発情前の生後6ヶ月ぐらいです。

犬 猫 避妊手術
ネコちゃんワンちゃんほぼ同じ手術になります。

 去勢手術は男の子の左右の精巣を摘出します。陰睾(陰嚢に精巣が降りていない)の場合は、開腹になる場合もあります。
 手術の目安は生後6ヶ月以降ですが、大型犬ではしっかりと体が成長した生後1年ぐらいまで延期することもあります。

犬 去勢手術
ワンちゃんは陰嚢の少し上を切開します。

猫 去勢手術
ネコちゃんは陰嚢の間を切開します。

避妊・去勢手術のメリット

①病気の予防

  女の子であれば卵巣・子宮疾患(子宮蓄膿症・腫瘍など)の予防、また乳腺腫瘍の発生率が下がります。
 男の子、特にワンちゃんでは前立腺肥大・会陰ヘルニア・精巣腫瘍・肛門周囲腺腫などの予防になります。

②望まない交配による妊娠の防止

 お家で飼育されている子が不意に外へ逃げ出してしまった時に妊娠してしまう・させてしまう事の対策です。また、野良猫や地域猫をこれ以上増やさないためにするためにも必要な手術です。

③性ホルモンに関連した問題行動の抑制

 性成熟(生後6ヶ月~1年)前に手術を行うと、マウンティングやスプレー行動を抑制します。
特に男の子のネコちゃんでは攻撃性も抑制されケンカによるウイルス感染のリスクが下がります。

避妊・去勢手術のデメリット

①手術後に太りやすくなる

 適切なフードの種類・量を与えることで体重のコントロールが可能です。

②全身麻酔によるリスク

 一番心配な点だと思いますが、手術前に血液検査やレントゲン検査などを行い、麻酔のリスクとなる病気が隠れていないか調べたり、健康で体力もある若いうちに手術を行うことでより安全に手術を行えます。

③尿失禁

 避妊手術と尿失禁の関連は明らかではないですが、女の子のワンちゃんでは手術後に尿失禁がみられることがあります。

当院の手術の流れ

①手術前の診察

 一般的な身体検査を行います。若い子は臍ヘルニアや乳歯が残っていないかをチェックします。
 中年齢以上の子は手術のリスクになるような病気が隠れていないか血液検査やレントゲン検査などを行います。

②手術の予約

 手術可能であれば手術日の日程を決定します。この時に手術前日・当日の注意点をお話しします。

③手術前日~当日

 基本的には手術前日に来院してもらい、本人の様子を見ながら手術当日の午前中~お昼の間で手術を行います。

④入院~退院

 去勢手術・避妊手術どちらも少なくとも一泊してもらい術後の経過をみてから退院となります。
 ご希望があれば数日~抜糸の日までお預かりすることも可能です。
 また、退院時に手術後の自宅での過ごし方の注意点をお話しします。

⑤抜糸

 手術から一週間後ぐらいに抜糸を行います。
抜糸後、術創を1~2日気にしなければ普段の生活に戻れます。

以上が当院での手術の流れとなります。

その他気になる事があれば直接病院までお問い合わせください。