【犬の食欲不振は病気のサイン?】原因と対策を獣医師が解説|日進市・東郷町の小塚獣医科病院

わんちゃんがいつもよりごはんを食べないと、「どこか悪いのかな?」と心配になりますよね。

実は、犬の食欲不振の背景には体調不良から環境要因まで、さまざまな原因が隠れています。

放置すると重症化するケースもあるため、早めの対処が大切です。

この記事では、動物病院の視点から犬の食欲不振の主な原因・チェックすべきポイント・ご家庭での対策・病院を受診すべき目安を解説します。

 1. 食欲不振の主な原因

■ ① 消化器の不調

・胃腸炎

・便秘・下痢 など

最もよく見られる原因です。吐き気や腹痛を伴うこともあります。

■② 内臓疾患

・腎臓病

・肝臓病

・心臓病

・代謝疾患(糖尿病、副腎疾患など) など

食欲に関連なさそうな臓器でも食欲不振を起こすことがあります。高齢犬に多く、検査を進めていくと病気が見つかることも多いです。

■③ 歯や口腔のトラブル

・歯周病

・口内炎

・歯の破折

痛みで固いフードを嫌がったり、口周りを触られることを嫌がります。

■④ ストレス・環境の変化

・引っ越しなどのイベント

・家族構成の変化

・新しいペットとの同居

・暑さ・寒さ

敏感な子ほど食欲に影響が出やすいポイントです。

■⑤ フードが合っていない

・嗜好性が低い

・体質に合わない

・いきなりフードを変更した

急なフードの切り替えは一時的な食欲低下を引き起こすことがあります。

2. 食欲不振時にチェックするポイント

■ 飼い主さんが確認できる項目として、以下が重要です。

・水は飲んでいるか

・嘔吐や下痢があるか

・元気の有無(散歩に行きたがるかなどの活動性のチェック)

・排便・排尿の変化

・いつから・どのくらい食べていないか

・どこか痛がるなど食欲不振以外の兆候

これらの情報は、病院での診察時に非常に役立ちます。

3. 自宅でできる食欲回復サポート

ただし、「無理に食べさせる」のは禁物です。

■ ①食事の工夫

・フードの温度を調整する→温めることで香りが立ち、嗜好性が増すことがあります。

・好きなおやつなどでトッピング→食事に興味を持たせるのが狙いです。

・ウェットフード→普段ドライフードがメインのワンちゃんにとっては効果的なことがあります。

※ただし、慢性疾患がある犬は必ず獣医師に確認をしましょう。

■ ② 環境を整える

・落ち着いて食べられる場所を用意する

・室温・湿度を適切に保つ

・フード皿の高さをわんちゃんに合った位置に設置する

■ ③食事を急に変えない

・食事を変更する場合は、1〜2週間程かけて新しいフードの混ぜる比率を増やしながら切り替えましょう。

4. すぐに動物病院を受診すべきケース

■ 以下の症状がある場合、緊急性が高い可能性があります。

・24時間以上まったく食べない

・嘔吐や下痢が続く

・元気がない、ぐったりしている

・何度も吐こうとしている

・お腹が硬い、痛がる

・高齢犬の急な食欲不振

・異物誤飲(食べてはいけないものを飲み込む)の可能性がある

など

食欲不振は様子見が危険なケースも多いため、迷ったら早めに受診しましょう。

5. 犬の食欲不振まとめ

犬の食欲不振は、単なるわがままから不調のサインまで幅が広いものです。

原因はさまざまですが、いずれの場合も早めのケアは必要です。

・食欲不振の原因は様々(一過性の体調不良から命に関わる重病まで可能性があります)

・小さな変化を見逃さない(ご自宅での様子が診断・治療のヒントになることもあります)

・無理に食べさせない

・些細な事と思っても、気になる時は早めに相談する

動物病院では、原因特定のための検査から治療、食事指導まで相談しながら一貫してサポートする事ができます。
“いつもと違う”と感じたら、お気軽にご相談ください。

愛知県東郷町の小塚獣医科病院                                              TEL 0561-38-0811
診察時間 AM9:00~12:00 PM5:00~8:00
休診日 土曜PM、日・祝日