【猫の食欲がない?】~真性食欲廃絶と偽性食欲廃絶~放置は危険!こんな症状があれば早めの受診を|日進市・東郷町の小塚獣医科病院

「ごはんを食べない」「食器の前で止まるだけ」「匂いを嗅ぐのに食べない」……

猫ちゃんがご飯を食べていない時、実は “食欲そのものがなくなっている場合” と、

“食べたいのに食べられない場合” の2つに分けられます。

この2つは原因も対応も大きく異なるため、早めに見分けることがとても大切です。

■ 真性食欲廃絶とは?

◎ 食欲そのものがなくなっている状態

病気や発熱、内臓の不調、強い吐き気などで、

“食べたい気持ちがなくなる” タイプの食欲不振です。

■ よくみられる症状

・ごはんの匂いにも反応しない

・食器の近くに寄らない

・寝てばかりで元気がない

・吐き気、嘔吐、下痢

・脱水気味(口腔内の乾燥・皮膚の弾力性の低下など)

・体が熱い・または冷たい

・体重が急に減る など

■ 考えられる主な病気

・腎臓病

・肝臓、胆管疾患

・感染症

・重い胃腸炎

・腫瘍

・中毒

・痛み・強いストレス など

真性食欲廃絶は、体がSOSを出している状態です。重篤な病気が隠れていることが多いです。

特に猫ちゃんは絶食状態に弱く、 1〜2日食べないだけで「脂肪肝」になる危険があります。

■ 偽性食欲廃絶とは?

◎ 食べたいのに痛みや不快さで食べられない状態

つまり “食欲はあるのに、食べる行動ができない” タイプです。

■ よくみられる症状

・ごはんを見に来るが、すぐ離れる

・匂いは嗅ぐが口をつけない

・食べ始めても途中でやめる

・よだれが多い

・口まわりを気にする

・食べるときに痛そうにする・片側で噛む

・食器の前でウロウロする など

■ 考えられる主な病気

・歯周病・口内炎

・歯の痛み(破折、歯根膿瘍)

・咽頭や舌の異常

・顎関節や咀嚼筋の問題

・食べづらい環境(食器が高すぎる/低すぎる など)

・失明 など

偽性食欲廃絶は見た目では「気分の問題」に見えてしまうことがありますが、

実際は “食べたいのに食べられない痛みや麻痺、視力の異常” が隠れていることも多いです。

■ 自宅でチェックできるポイント

以下に当てはまる場合は、早めの受診をおすすめします。

◉ こんなときは要注意!

・24時間以上まったく食べない

・食べたい素振りはあるのに食べられない

・よだれや口の痛みが見られる

・嘔吐や下痢、ぐったりしている

・水もあまり飲まない

・体重が急に減った

特に猫ちゃんは、半日〜1日食べないだけで体調が大きく崩れることがあります。

■ 動物病院ではどんなことをするのか?

食欲不振の原因は非常に多いため、いくつかの検査を組み合わせて原因を探っていきます。

・身体検査(脱水、発熱、触診にて体表~腹部内のチェック、聴診にて胸の音やお腹の音を隅々まで見ていきます)

・口腔内チェック(口内炎、歯の痛みなどの確認)

・血液検査(腎臓・肝臓・血糖値などの確認)

・レントゲンやエコー検査(身体検査では分からない部分を詳しく見ていきます)

・症状に合わせた点滴や食欲増進剤の処方、病気の原因によっては手術を検討

・必要に応じてCTやMRIなどの高度医療機関への紹介 など

症状のタイプと原因によって治療内容が大きく異なるため、

早い段階で正確な診断を行うことが最短の回復につながります。

■ 当院から飼い主さまへのお願い

もし、

・昨日からご飯をほとんど食べていない

・食べたいのに食べられなさそう

・いつもと様子が違う

そんな時は、動物病院まで早めにご相談ください。

早期の診察で、猫ちゃんの負担を最小限にします。

愛知県東郷町の小塚獣医科病院                                              TEL 0561-38-0811
診察時間 AM9:00~12:00 PM5:00~8:00
休診日 土曜PM、日・祝日

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